匠とは「駅は街の玄関 お客様を迎えるときも見送るときも快適に利用して頂けるようベストを尽くす人」

No.11

/ 東急線渋谷駅清掃責任者

東 益弘

職 場

渋谷駅構内にある東急線渋谷駅清掃事務所には、交通施設課の約50名が勤務しており、交代制で24時間365日休むことなく駅構内の清掃作業を行っている。渋谷駅の1日あたりの利用者は平均で100万人以上にのぼる。
東さん率いるスタッフが利用者の多い駅ならではの清掃方法で駅の美観を保っている。

プロフィール

2016年に東急ファシリティサービスに入社、交通施設課に配属され、東急線特別清掃チームを経て、渋谷駅清掃事務所の副責任者等の経験を積んだ。渋谷駅清掃事務所の責任者に就任してからは、清掃や接客の品質の向上、スタッフにとって働きやすい職場作りに力を入れている。

Episode.1

スタッフと一緒に考え、成長する

 毎日たくさんのお客様が利用する渋谷駅の清掃業務は、「お客様の通行などの妨げにならない事」が最優先される。しかし、利用者が多いがゆえに、構内が汚れやすい。そのため、状況を見ながらこまめな作業、広い視野が必要となる。
 また、駅周辺の道を尋ねられるなど接客の機会も多く、常にお客様の目があるため、いつも明るい表情でいる事も求められる。スタッフに求められるスキルは多岐に渡るため、計画的に教育をしていく必要がある。東さんは、個人別の習熟度一覧を作成し、誰が何をどれくらいできるかを可視化し、人員配置や研修計画の策定に役立てている。また、清掃作業の教え方にもこだわりがある。
「教える前にまず作業をさせてみる。次に正しい方法で作業をしてもらい、所要時間や仕上がりを比べてみる。当然正しい方法で作業した方が早く、きれいに仕上がるが、そうなった理由をきちんと説明し、一緒に考えるという事を大事にしている。」と語る。
時間がかかる方法ではあるが、理由を理解していないと、時間の経過とともに自己流のやり方になってしまう事がある。そのため、一緒に考えるという過程を大切にしているそうだ。
 東急線渋谷駅清掃事業所は24時間稼働のため、昼班とナイト班という2班制のシフトになっている。各シフト始業時に引継ぎミーティングが行われるが、スタッフの教育の場として有効に活用されている。
司会はスタッフによる当番制となっている。これは人前で話す経験を積む事で、接客時の緊張を和らげる目的がある。そのほか「顧客第一主義宣言」の読み合わせをはじめ、笑顔の練習やお客様役と清掃スタッフ役を演じるロールプレイなどを行っている。 導入した当初は、スタッフの表情もぎこちなかったが、徐々に自然な笑顔が見られるようになり、スタッフの接客スキルは飛躍的に向上した。現在では、駅を利用されるお客様から、感謝の言葉を頂く機会も多くなったという。

Episode.2

働きやすい職場作り

「この職場ではスタッフに要求される業務水準が高く、やりがいがある一方、ストレスがたまりやすい職場であるとも言えます。できる限りスタッフのストレスを取り除き、やる気を引き出すために働きやすい職場作りを意識しています。」と東さんは語る。 職場の雰囲気作りのために、スタッフとの会話を大切にし、いつも笑顔でいる事を心がけているそうだ。「明るく楽しい職場であれば、お客様と話す際にも自然と笑顔になりやすい。また、意見交換も活発になり、良いアイデアも出てきやすい。事務所に戻ったときに気分転換できるような雰囲気を作っていきたい。」と意欲的だ。
また、事務所や資機材置き場は、整理整頓されており、必要な道具をすぐに見つける事ができる。スタッフの行動予定表や引継ぎ事項などが分かりやすく掲示され、引継ぎ事項や、どこで何をすれば良いか一目でわかる。業務の効率化によって、余裕ができ、気持ちよく働いてもらえるという。 「渋谷に来る人がまず訪れるのが駅。いわば街の玄関のようなものだと思います。ここが汚れていると、渋谷という街全体に対しても悪い印象を持たれてしまう。『また訪れたい』と思って頂けるよう、駅をいつも清潔に保ち、心のこもった接客でおもてなしをする事が我々の仕事だと思います。スタッフ一人ひとりが協力し、力を発揮する必要がありますが、そのために責任者として何をすべきか、日々思考錯誤しています。」と東さんは語る。

(2018年4月25日時点)